党の軍隊 2011 10 16
私は、10月2日に「党の軍」という記事を書きました。
しかし、多くの日本人どころか、政治家までも、
意味がわからなかったらしく、ぼんやりしている状態だと思います。
もっと、はっきり書きましょう。
現在の中国の軍部は、
戦前の日本軍と同じような状態になっているということです。
つまり、政治家の統制が利かなくなっているということです。
人民解放軍は国軍ではなく、党の軍隊であるという位置づけです。
国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません。
あくまでも党が軍をコントロールするのです。
しかし、党の最高指導者が毛沢東やケ小平のように、
強力なカリスマ性を持っているならばともかく、
いくら優秀な政治家でも、巨大化した軍をコントロールすることはできません。
党の軍 2011 10 2
相変わらず、南シナ海が緊張の高い状態にあると言えますが、
このような状態において、周辺国は、
中国外務省に抗議しても無駄だと思います。
そもそも、人民解放軍は、中国外務省を見下していると思います。
中国において、「外務大臣」も外交担当の国務委員も、
政治局常務委員のメンバーでしょうか。
いや政治局委員にもなっていないと思います。
中国は、共産党が国家を指導する体制です。
さらに、人民解放軍は国軍ではなく、党の軍であるという位置づけです。
(国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません)
そういうわけで、国務院の一部である中国外務省が何を言っても、
人民解放軍は、聞く耳を持たないと思います。
将来、外交担当の国務委員が、
党の政治局委員になれば、
いや現状では人民解放軍の強大な力を考えれば、
政治局常務委員にならないと、事態は改善されないでしょう。
世界の文民統制 2011 9 4
独裁国家においては、文民統制に関して、
政治指導者に相当な負担がかかると思います。
民主主義国においては、
議会やマスコミ、そして国民が、
文民統制の負担を軽減してくれるのです。
2009年7月24日に「文民統制」という記事を書きました。
これは、中国を念頭において書いたものです。
この当時でも、政治指導者に相当な負担がかかっていると思いました。
今は、どうか。
中国においては、二つの指導力が競い立っていると思います。
それは、政治的な指導力と軍事的な指導力です。
文民統制 2009 7 24
シビリアンコントロールを確立するのは、
いつの時代においても、難しい。
これは、以前も書きましたが、イラク戦争中、
「それは、ホワイトハウスが承知しているのか」という事態が、
何度かありました。
アメリカですら、シビリアンコントロールは、
このような状態ですから、他の国は、どうなっているでしょうか。
軍を完全に掌握するには、
強力なカリスマ性があるか、
大きな政治的実績があるか、
軍事的な天才であるか、
いずれかの要素が必要です。
いや、できれば、二つ以上該当することが望ましい。
もちろん、民主主義国においては、
有権者(国民)の力が強いので、政治家の負担は軽減されるでしょう。